ふいに、滝沢は匂いを嗅ぐようにオレの首筋に顔を埋めて来る。
うがっ! くすぐったい……っ。
滝沢「……ん? お前、もしかして風呂上がり?」
裕太「そ、そうだけど……も、もーやめろって! くすぐったいよ!」
滝沢「へえ……。これから廣瀬とやろうってところだったわけ?」
裕太「なっ……、何言って……」
オレはビビって絶句した。
滝沢はオレの腰を抱いた手を変な風に上下させて、嫌な笑い方してる。
滝沢「だってお前廣瀬んちにいるって言ったじゃねえか。
当然やってんだろーが」
裕太「お前なあ……いい加減にしろよ。
オレはお前が会いたいっつーからわざわざ来たのに、そんな話か?」
だんだん本気でムカついて来て、じろっと滝沢を睨みつけた。
滝沢はあの深いエメラルドの瞳でオレを凝視してる。
……正直、滝沢のこの視線が苦手なんだ。あんまりじっと見ていられない。
そのとき、ふいに滝沢が真顔になった。
滝沢「……なあ。お前、男同士って面白い?」
裕太「ハア……? 面白い、って……どういう意味だよ」
滝沢「なあ。1回くらい、浮気してみねえ?」
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