- ミツギ「チンタラしてんじゃねえよ。お前が寝たら、
すぐ話し合いに戻りてえ」
- アヅマ「あ、おう。……悪い」
-
で、横になって気付いたんだけど、やっぱすげえいい匂い。
なんだろ、香水かな。白檀っぽい。
視線の気配があってうぜえから、壁際に向かって
寝返りを打って、あとは目を――――
- アヅマ「……ッ、……!」
- ミツギ「どうした」
- アヅマ「別に、なんでも、ねえよ。足、攣りそうになっただけ」
- ミツギ「……あっそ」
-
多分まだ勃ってねえし、何事もなかったかのように、
ミノムシのごとくじっとしてれば、そのうち収まる
はずだ。
――そんとき、ミツギがこっちに近付いてくる
足音がして、ぎょっとする。
な、なななな、なんで。こっちくんじゃねえ。
けど、来るんじゃねえって言うわけにもいかなくて。
先手必勝。俺はそのまま首だけで振り返った。
- アヅマ「なんだよ」
- ミツギ「……」
- 毛布越しに触れられた二の腕が、じんわりと温かい。